私の娘は、主人の転勤で、2歳になる直前にアメリカに引越しました。
2歳と言えば、イヤイヤ期に差し掛かる微妙なお年頃。
私も家族での渡米が決まった際は「娘がホームシックになったらどうしよう」「今まで周りにいたお友達が一気にいなくなって、娘が閉鎖的な性格になったらどうしよう」など、色々と心配していました。
大きく変わる環境や、慣れない外人ばかりが周りにいるという生活、変わる食生活…アメリカへの引越しで変わる部分はとても大きいため、我が家以外でも海外で暮らすこと、特に子供同伴の場合に心配されている方も多いかと思います。
しかし結論、数か月と言う短い間でしたが、2歳の娘をアメリカに連れて行って正解でした!
今回は、幼児を数か月アメリカに住まわせたことで起こった我が家の変化をまとめます。海外転勤になる方の参考になれば嬉しいです。
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2歳前の娘の状況

言葉が遅い
言葉は割と遅いほうでした。
2歳になった時点で話せたことは、ほんの数単語。2語文なんて話す気配もありません。
渡米前は「日本語すら話せないのに英語圏に行って混乱して、さらに言葉が遅くならないだろうか…」と心配していました。
身体を動かすことが好き
言葉が遅い一方で、身体の発達は早めでした。
寝返りや首すわりも早く、生後10か月の頃にはおむつポーチを持ちながらしっかりとした足取りで歩けました。
性格はわんぱく&怖がり
娘はわんぱくな性格で、木馬に乗ろうものならひっくり返りそうになるほど動きます。
お外、特に砂場で遊ぶのが大好きで、少しずつ集中力がついてきたのも砂場遊びのおかげです。砂場遊びをしていなかった1歳4か月くらいまでは、全く集中力が続かず、おもちゃも1分ごとに変えて遊ぶような感じでした。
一方で怖がりなところもあり、アパートの上の住人の足音にいちいち驚いて抱っこをせがんだり、暗い場所に行きたがりません。
「こんな怖がり&人見知り・場所見知りの娘が、アメリカなんかに行って余計怖がりにならないだろうか」と心配していました。
新しい環境になかなか打ち解けられない
怖がりという性格もあり、うちの娘は新しい環境や人にかなり警戒する子です。
はじめて会う人には、絶対抱っこされない。抱っこされそうになると大泣き。
はじめて行く児童館では、最初の10分ほどはずっと抱っこ。子供相手でも、なかなか近寄って行こうとしません。
そして見たことが無い食べ物は決して口をつけない(お菓子は別ですw)
「アメリカに行って食べられるものがあるだろうか、ストレスを抱えてしまうのでは」と心配していました。
お肉が食べられない
繊維が噛み切れないため、お肉を口に入れてもすぐ吐き出します。
煮物は50%の確率で食べ、焼き魚が大好物。渡米するまでは、自宅の食事も和食が多かったです。
果物や焼き芋系も大好きで、「アメリカに行ったら娘が好きな食べ物がないのではないか」と心配していました。
アメリカに引越してすぐの頃

はじめての長距離飛行機
帰省や引越しで、国内3時間以内の飛行機は3回ほど乗ったことがあるうちの娘でしたが、やはり日本からアメリカの14時間のフライトはかなり未知数でした。しかし結果、半分ほど寝てくれて助かりました。
実際に長距離飛行機に2歳未満児と乗ってみて良かったことは、飲み物とおもちゃを準備しておくこと。
離着陸の気圧が変わるときに何か飲み物を飲んでいると耳が痛くならないそうで、我が家もこの作戦で過去離着陸時に娘が泣いたことはありません。
おもちゃも、飛行機の中では重宝します。音の出ないおもちゃを3種類くらいと、紙とペンなど遊べるものがあると良いと思います。
慣れない環境

最初の数日はホテルで、その後は一般のアパートに移りました。
環境はガラリと変わりましたが、娘は新しい生活をかえって楽しんでいる様子でした。
家の中でも靴生活のアメリカ。
子供に部屋の中で靴をはけ、スリッパをはけというのはムリですね。
私もホテルではいちいち娘に「スリッパはいて!」と言っていましたが、100回くらい言って諦めました。笑
ホテル生活のときは自炊できなかったので、パンやポテト、カットフルーツが食事の中心になってしまいました。
渡米してすぐは簡単に食べられる食べ物をどこで手に入れられるかもわからず、食事がなかなかハードでした。甘くないお茶もなく、娘にいつもあげていた麦茶もあげられなくなってしまいました。
しかし驚くことに、娘は日本では絶対飲まなかった水を、アメリカに来て飲むようになりました。麦茶がないのを理解したのでしょう。泣きもせず当たり前のように水を飲むようになった娘を見て、「今までの水拒否はなんだったの?!」とも思いましたが、環境に適応する力がすごいとも思いました。
幼児の食べ物の好き嫌いは、ただの甘えや気分かもしれません。環境が変わったら、今まで嫌がっていたものも普通に食べました。
アメリカに引越して2か月の頃

生活が安定してくる
この頃になると、身の回りの必要なものも揃ってきて、アメリカでの生活がちょっと落ち着いてきました。
日本ではお風呂遊びが大好きだった娘。
アメリカでは浴槽のないシャワーだけの生活になり、可愛そうなので、ウォルマートで買ってきたプラスチックの衣装ケースを娘専用浴槽にしてみました。笑
「嫌がるかなぁ、日本を恋しがるかなぁ」と思いきや、あっけらかんと衣装ケース風呂に馴染む娘。おもちゃ替わりの空のペットボトルなんか渡しておけば最強です。ずっと遊んでます。
新しいお風呂環境にもすぐに慣れ、「もはや日本を忘れたんじゃ…?」と感じるくらいでした。
アメリカの子供と何度か遊ぶ
主人の職場繋がりで現地のアメリカ人の子供とはじめて遊ぶ機会があったのもこの頃。
緊張して、全く他の子供に自分から近づこうとしたりせず、眉間にしわを寄せて、他の子供たちをじ~っと観察していました。
自分から相手に関わろうという気はさらさらない感じで、マイペースに1人で遊んだり、抱っこをせがんだりの繰り返しでした。
アメリカに引越して3か月の頃
時間制の幼稚園に通い始める

この頃から、時間制の幼稚園に通うことが出来ました。
まずは1日1時間、徐々に2時間、3時間…と慣らしていきました。
最初の4日間は特に大変で、大泣きしては「だっこ、だっこ~!!」と叫び、母親である私から離れようとしません。
周りはほとんどアメリカ人、話されているのも100%ネイティブ英語なので怖くなって当然です。
あまりに泣くので「呼吸困難になるのでは?」と心配になりましたが、そこはこらえて、幼稚園の先生の協力のもと、置いていきました。
【1日目】
1時間ずっと、娘は1人で部屋の端っこに立って周りをキョロキョロ見ていたよう
給食も一切食べず
【2日目】
1時間ずっと、娘は1人で部屋の端っこに立って周りをキョロキョロ見ていたよう
給食も一切食べず
【3日目】
2時間のなかで、少しお友達と関わって遊べたよう
給食も一切食べず
【4日目】
2時間のなかで、少しお友達と関わって遊べたよう
給食も一切食べず
【5日目】
2時間ずっと1人遊び。ジグソーパズルがお気に入り
給食も一切食べず
【6日目】
幼稚園の先生にすんなり抱っこされるようになる
給食も一切食べず
【7日目】
幼稚園に送って別れ際、はじめて泣かないでバイバイできました
給食も一切食べず
幼稚園に慣れるまで3か月くらいかかるつもりでいましたが、こんなにもあっけないのだと思うと同時に、娘をとても心強く感じました。
まだまだ給食は食べてくれないので、娘だけ特別にお弁当を持参することに。周りがまだ信頼しきれない状態だと思うので、そこでいきなり出されたものは食べられないのは当然ですもんね。
何はともあれ、7日で泣かずに幼稚園に行ってくれて嬉しかったです。
親が考えるよりも、子供は圧倒的スピードで環境に慣れる
いきなり英単語を2つ話す
幼稚園に通って7日くらいの間に、まずは以下の言葉を話すようになりました。
- No(イヤ!ダメ!)
- Mine(わたしの!)
日本語の単語もほとんど話せないくせに、いきなり英単語を話したことにはびっくりしました。しかも発音が、ネイティブっぽい。笑
英語の童謡をYouTubeで見るようになる
幼稚園でみんながわかる童謡がわからなかったらイヤだろうと思い、家でも英語の童謡を1日2時間ほどYouTubeTVで見るようになりました。
我が家はスマホでYouTubeを見るのはNGですが、テレビでかけ流しにしています。
お肉が食べられるようになる
アメリカに来て嬉しい変化として、娘がやっとお肉を食べられるようになりました。一方で、周りに売っていないので魚が食卓に並ぶことが激減しました。(週1回ほど、手に入る鮭とタラのみ)
これまでもひき肉は少し食べられましたが、チャーシューなどを好んで食べられるようになりました。魚の頻度が減って、動物性たんぱく質が欠乏してきたのを本能が悟ったのでしょうか…
やっぱり、環境に適応するものだなぁと感じました。(単純にお肉の筋をかみ切れるようになったからかもしれませんが)
アメリカに引越して4か月の頃

語彙が増える
日本語・英語ともに、語彙の増えるスピードが今までよりもグッと上がりました。
「ママ、抱っこ」「ワンワン、抱っこ」のように2語文も一気に増えました。
週20時間ほど幼稚園に行ってその間英語漬けの生活を送っていたわけですが、増える語彙は「英語:日本語=2:3」くらいの割合でした。
英語の歌を一緒の歌うことが増える
「きらきらぼし」のメロディーにのせたアルファベットの歌などを「歌って」ということが増えてきました。
また『Wheels on the Bus』のような英語の手遊び歌を3つほど覚えて、張り切って手遊び・踊りながら音程ずれまくりで口ずさんだりしていました。
病気が続き幼稚園は休みばかり
この頃、はじめてのRSウイルスに罹患して1週間幼稚園をお休みしただけでなく、肺炎にもなり1週間以上幼稚園をお休みしてしまいました。
やはり10日ぶりくらいに幼稚園に行くと、朝送ったときに「家に帰る~」と泣いたりしましたが、続けて行けばまたすぐ慣れました。
アメリカに引越して5か月の頃
英語でのあいさつが板についてくる
英語でのあいさつに自信がついてきて、幼稚園の帰りにはみんなに向かって元気いっぱいに「Bye!」と言うようになりました。道行く人みんなに「Bye!」と言うので、そのたびに笑われました。笑
「Bye!」と言えるようになった3週間後くらいに「Hi!」が言えるようになりました。
言葉として挨拶が発せられるようになれたのも嬉しいことですが、人と関わることの楽しさを知って、自分から大きな声であいさつできるほどの自信がついたことが親としてはとても嬉しかったです。
1~10の数字が言えるようになる
3か月くらいかけて教えていた数字が、やっと言えるようになりました。
最初の2か月は「教えても教えても全然話せるようにならないな~」と思っていたのですが、最後の1か月で一気に言えるように。ただ言うだけでなく、5つくらいまでは実際の数と結び付けて数えることが出来ます。
「ママ」から「Mommy」へ
生まれた時から一貫して一人称は「お母さん」でしたが、この頃から私の呼び方が「ママ」から「Mommy」になりました。
周りの子が「Mommy」と言っているのを聞いて、真似したようです。
公園で初めてあった子供にも積極的に関われる
半年前は絶対に自分から話しかけたり、向かっていかなかった娘ですが、この頃から公園で初めて会った子供に自分から向かって行くようになりました。
言葉で「一緒にあそぼ」とは言えないものの、近寄って行って、日本語で「これ!これ!(このボールで一緒にあそぼ!)」と話しかけたりできるようになりました。
トイレに興味を持つ
娘が通っていた保育園は、各教室に子供用トイレが2つ設置してありました。
同じクラスの女の子がトイレしているのを見て、自分もズボンを脱いで便座に座ったり、トイレットペーパーで拭いたりしていました。
元々日本で2か月くらい、渡米して1か月後くらいにもトイレトレーニングもどきをしていたのですが、嫌がって中断していました。それが、お友達の影響で再び自分からトイレに座ったり出来るようになりました。
幼稚園に通うのが楽しみになる
この頃から、毎朝「がっこ、がっこ!(学校)」と言って、幼稚園に行くのが楽しみな雰囲気が全開になってきました。
お友達とたくさん遊んで、たくさんお勉強して、しかも娘が本当に笑顔だったので、アメリカの幼稚園に入れて本当に良かったと思いました。
英語の歌を歌うようになる
めちゃ音程ずれまくりですが、この頃から英語で歌を歌うようになりました。
歌詞がかなり端折られてオリジナル化してますが、「た~」のような伸ばす音の母音だけあってたりします。笑
グズグズしている車の中でも、一緒に歌を歌って気分転換がはかれるようになったのが良かったです。
「2歳でアメリカに引越したらどうなる?文化適応力と英語力の変化まとめ」まとめ

子供を親の都合で海外に連れていく際は、「かわいそうなことをしていないだろうか」と心配になったりします。私も実際、渡米はとても不安でしたし、娘にマイナスの影響がないかをとても心配していました。
しかし、今では「海外生活で子供は大きく成長する!かけがえのない学びの機会だ」と断言できます。
大人が思っているよりもずっと、子供の成長は早くて高度です。すぐに英単語も覚えるし、食べ物にもすぐ適応します。不安だった幼稚園生活に慣れたことも、娘の潜在意識のなかで自信になったのではと思っています。娘がもっと大きくなってからも、「(娘の名前)はアメリカでとっても頑張ったんだよ!」と伝えてあげるつもりです。
そのため、もし今後、親の転勤で子供を海外に連れて行こうか迷っている方がいらっしゃいましたら、私は子供同伴で行くことをおすすめします。