近年ビジネス研修などで用いられる手法である、コーチング。
「悩みの答えは、その人の中にある」という立場でヒアリングしていくことで、その人本来の願いや目標達成を叶え、モチベーション高く課題解決を行えるようになります。
深堀りヒアリングすることで、潜在意識まで紐解き、自分の意識傾向を踏まえた問題解決方法を探れる点で注目を集めています。
そんなコーチングについて、詳しくまとめていきます。
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そもそもコーチングとは?

潜在意識に着目した能力開発方法
「人間は元来、自ら考え行動することが出来る」という立場に立って、教え込んだり否定することなく、相手の能力を引き出す手法のことをコーチングと言います。
Wikipediaでは以下のように説明されています。
促進的アプローチ、指導的アプローチで、クライアントの学習や成長、変化を促し、相手の潜在能力を解放させ、最大限に力を発揮させること目指す能力開発法・育成方法論、クライアントを支援するための相談(コンサルテーション)の一形態
出典:Wikipediaより
コーチングは、特別に新しい考え方や技術でもなく、個人の力をうまく引き出しているマネージャーや監督などのコミュニケーションに仕方や、うまくいっているチーム・組織でかわされているコミュニケーションを体系化したものです。
それが1990年ころからアメリカで注目されるようになり、2000年頃から日本でも研修などで取り入れられるようになりました。
悩みの答えはあくまで自分の中にある
コーチングで重要なのは、あくまでコーチがこれらを先導したり強制したりするのではないということです。
コーチはあくまで聞き役に徹し、相手の意見や欲求をうまく引き出しながら会話していくことで答えを出します。「あくまで答えは自分の中にある」という考え方です。
教えられたことや強制されたことではないため、コーチングを受けた側は自ら納得感のある答えを得ることが出来、モチベーション高く課題を実現できるところに特徴があります。
コーチが相手にもたらすもの
コーチングを受けることによって、以下の効果が得られると言われています。
- 新しい気づきを得られる
- 視点が増える
- 考え方や行動の選択肢が増える
- 目標達成に必要な行動をとれる
コーチングの3原則とは?
インタラクティブ(双方向)
コーチングの原則の1つに、「インタラクティブ(双方向)」があります。
従来の講師と生徒のように、講師が話したことを生徒が言われたとおりにやるというのは一方通行のコミュニケーションです。上司と部下、母親と子供も然りです。
権威や権限で従わせたり、上下関係で指示するのではなく、あくまで双方向の対話によって問題解決の糸口を探していこうという考え方です。
しかし、押し付けられたことややりたくないのにやらされていることは、本人にとっても苦痛ですし、モチベーションも続かずに終わってしまいます。
そのため、こうした双方向コミュニケーションのアプローチは時間や手間もかかるだけでなく、聞き手のヒアリング能力が問われるため、効率は悪く感じられます。
しかし、コーチングによって自律的に行動ができるようになったり、自ら考えて軌道修正出来たりするようになれば、指示を待たなくても動いてくれるため、長い目で見れば時間の節約にもなります。
オンゴーイング(現在進行形)
コーチングは一度受けたからといって、すぐに効果は出ません。前述のとおり、実行できるようになるためには時間がかかります。
そのため、継続して働きかけていくことが必要です。継続することで、潜在意識の癖がわかったり、根本的な解決方法を見つけることが出来るためです。
対話により現状把握や課題の設定が済んだら、実践とフィードバックを繰り返します。こうした繰り返しが、コーチングの着実な効果となって現れます。
テーラーメイド(個別対応)
昔の教育は、いかに大量の情報をたくさんの人に与えるかが重視されたため、同じ内容をたくさんの人が詰め込み覚えるという「教師1人に対して大人数の生徒」というスタイルが主流でした。
しかし現在は、よりユニークなアイディアが求められたり、自分の意見を言ったりすることが求められ、従来の教育方法では対応できなくなっています。
そのため、コーチングも基本は1対1のスタイルで行われます。
「褒めればよい」「ダメな時は叱る」といった単純な方法ではなく、「この人はどのタイミングでどんな言葉で叱ればいいか」、「どんなときに褒めればモチベーションを保てるか」などを徹底的に観察し、個別に対応することが重要なのです。
セルフコーチングとは?
コーチングを自ら行うこと
セルフコーチングとは、上記のようなコーチングを自ら行うことです。
以下のようなお悩みがある方に、セルフコーチングが向いています。
- 悩みがなかなか解決しない
- 自分の気持ちを整理できない
- とにかく気分が落ち込む
- 自分に自信がない
セルフコーチングのメリット
セルフコーチングは、以下のようなメリットがあります。
- 気軽に行うことが出来る
- コーチ代など、費用がかからない
- 誰にも言いたくないことを、自分1人で解決できるよう取り組める
セルフコーチングのデメリット
セルフコーチングは、完全1人で行うため、以下のようなデメリットがあります。
- 自分自身への問いかけがしにくい、何をしてよいかわからない
- 1人では続けるのが大変
もし「1人で続けられる自信がない」「多少費用は払ってもプロにお願いして効率的に進めたい」と思う方は、プロコーチをお願いするのがおすすめです。
子育てにおけるコーチングはどんなもの?

近年注目されている子供へのコーチング
ここ数年「モンテッソーリ教育」が注目を集めています。
「子供は元来出来る存在だから、教えずに見守る」というモンテッソーリ教育の考え方は、コーチングと共通することも多いです。
そのため子育てのシーンにおいても、「子供に質問を投げかけ、自分で答えを見つけさせる」というコーチングの有用性が認められています。
子供自らの意志を引き出し活用する
コーチングでは、子供自らの意思を引き出して行動する力に変えることが出来ます。
例えば、こんな場面。
母「忘れ物チェックはしたの?」
子「したした!(実際はしてない)」
母「ほら!お弁当忘れてるでしょ!!!」
子「は~い。(聞き流して反省せず)」
母親としては子供に忘れ物をしないという成長を促したくて口うるさく言っていますが、むしろ逆効果で、叱られすぎて聞き流しては同じことを繰り返し、何度言っても忘れ物チェックをしっかりしようとは考えていません。
ここでコーチングの手法を取り入れ、親が子供の話をしっかりと聞き、自分で考えるような質問をすることで「自分で考えるクセ」を習得していきます。
子供へのコーチングで得られること
子供に質問するコーチングでは、以下のような力を育むことが出来ます。
- 子供自身で考える力
- 自分で目標を見つけたり、やる気を引き出すこと
- 自分の意見を言う力
「コーチングとは?メンタルを整え潜在意識を活用するコミュニケーション技術」まとめ

いかがでしたか?
「コーチング」と聞くと一見難しそうに感じますが、丁寧に相手を観察すること、気づいたことをメモすること、質問のレパートリーを増やすように情報収集を行うことを気を付ければ、少しずつ自分でも行えると思います。
コーチングを利用して、心の中にあるモヤモヤを自分で整理して解決できるようになりたいですよね。